声のワークショップ、なぜ「声」が大事なのか、を考える。

私たちは毎日「ことば」を交わしてコミュニケーションしています。

 

ではいったい「ことば」とは何でしょう?

 

コミュニケーションの道具?自分の考えを具現化する媒体?

 

ちょっと抽象的な答えですね。実は「言語学」においては、<「ことば」は「音」である>と規定されています。私たちは毎日なんらかの「音」を出して他人と意思の疎通をしています。その「音」の主要なものが「声」なのです。

 

そしてその「声」は、情報を交換するだけではありません。他人の「声」を聞いただけでなんとなく「元気がないな」とか「調子がいい!」とわかることはありませんか?

 

「声」を聞いた瞬間「素敵な人!」と思ったことはありませんか?反対に「あ、何か違う・・」と感じたことはないでしょうか?

 

「声」は、コミュニケーションの内容だけでなく、人がそのコミュニケーションにどのような気持で臨んでいるか、積極的なのか消極的なのか、も表れてしまいます。それ以外にも、その人の性格やその時の精神状態、身体の具合までわかってしまいます。また出身地や年齢などもある程度映し出してしまうのです。

 

 こんなにも自分を映し出す「鏡」のようなものなのに、「声」に関心を持ち、それを磨こうとする人は、特に日本では、まだまだ少ないようです。

 

髪型や服装に頭を悩ませ、そして一生懸命メイクしたりダイエットしたり、他人に向かっていろいろアピールする方法を考える人は多いのに、なのにとても大切な「声」をきれいにしようとしている人は少ないのです。

 

仕事として人前で話すことが多い人、何かを教える仕事をしている人、インストラクター、カウンセラー、教師、タレント、司会者、俳優、歌手はもちろん、そういった特別な職業にとどまらず、接客業全般に携わる人たちにとっても「声」は大切なものです。さらに、政治家、弁護士など、「声」でアピールしなくてはいけない人も多いはずです。

 

ビジネスの場面においても「声」はとても重要なファクターです。プレゼンの仕方や資料、またビジネストークなどをよりよいものにしようと試み、身だしなみに気をつける人は多くても、「声」のことを考える人は少ないようです。人は、会ったときの第一声で、第一印象が決まるとも言われています。アメリカでは、多くのビジネスマンや政治家などが専任のヴォイス・トレーナーに「声」のトレーニングを受けているといいます。

 

日本ではまだまだ「男は黙って・・」という精神が根強いのでしょうか。しかし、黙っていては物事が進まない場合も多いでしょう。「巧言令色、仁少なし」という言葉は、話すなと言っているわけではなく、要は誠意のこもった説得力のある「声」で二言三言、これで人は動いてくれるという意味にもとれるのではないでしょうか。

 

聞いていて疲れない声には誰もが耳を傾けます。よく通る声は注目を集めます。抑制の効いた声は安心感を与え、説得力を増し、その人の信用を高めます。

 

そして、いい声はいいルックスと同じくらい異性に(もちろん同性にも)影響力があります。「素敵な声」を手に入れたいと思いませんか。