「英文法」は、英語を読み、書き、話し、聞くときの最低限のルールです。
「英文法」は複雑なものでも、難しいものでもありません。
どうも日本人には文法は難しい(うっとうしい)というイメージが強いようですが、それはきっと受験勉強のやり過ぎなんでしょうね。
そういった「文法って難しい」と思っている人は、試験をパスするために英文法を勉強してきた人なのだと思います。これからは試験勉強ではなく、英語という楽しいゲームをするためのルールなんだからとりあえず覚えていこう、ゲームをやってる内に自然にわかるようになっていくさと軽く考えたほうがいいと思います。
英語を正しく理解し、表現するためのツールとして文法を使いこなすという発想が大事だと思います。
国際化が進み、ビジネスマンや大学生も英語力が問われる時代です。しかし、だからといってネイティブのように流暢に話すことが大事なのではありません。英語がわかるようになるために、英語を正しく活用するために、「文法」の勉強をやり直してみましょう。
・少々他のアップともかぶりますが、以下の本の紹介として「英文法」について書いた記事があったので、「なぜ英文法が大事なのか」の紹介として以下にアップします。
『日本人が誤解する英語』(2012.5.27 facebookPage)
まず本の紹介に入る前に少々・・・。
英文法の勉強というのは、「文法」を勉強することによって、正しく英文を読み/書くための必要な手順が理解できるようになる、というのが本筋だとフナツは思っています。
中学/高校での英文法の授業がつまらなかったのは、高校/大学受験の英語の文法問題を解くための暗記科目だったからです。
空欄補充問題であったりとか、句を節に書き換えるとか、いわゆる受験の合否の判定のために、点数に差をつけざるをえないために作られた、英語の実力には必ずしも反映しないような問題を(嫌々、それもたくさん)解かされたのが原因です。
きっと当時みなさんは「こんなの覚えても英語が話せるようになるのか??」と思ってうんざりして、でも受験のためにはしょうがない、と嫌々ながら勉強していたと思います。そうなんです、あれは、○と×をつけて点数をつけなきゃならないためのものだったのです。
おまけに、日本語の文法もきちんと学校で習っていなくて、そしてその、かろうじて学校で習った日本語文法も間違いが多いのです。つまり「文法」という学習項目自体がよくわかっていない。
たとえば、eat「食べる」の時制は何ですか?と聞いたらたいていの日本人が「現在」って答えます。
でも、eat は現在形ですが、「食べる」は現在ではありません。
「未来」です。
だって「食べる」と発話している時点では、まだ食べてません。
実は、日本語には「過去」と「非過去」しかありません。
過去かそうじゃないか、の区別しかないんです。だから整然と、現在/過去/未来がきっちり分かれている英語の時制を、日本語の時制に正確に置き換えることがなかなかできません。(ちなみに、英語には上記の3つの時制にそれぞれ進行形、完了系、そして完了進行形がからんできますから、全部で12の形があります)
だから「食べる」の現在形と言われても言いようがないんです。「食べている」、そうですね、意味は近いです。でも、この言い方は、英語では現在進行形ですね。
もうひとつ、
"She was beautiful."←なぜ過去形を使ったのか?
彼女はきれいじゃないとは言えなくて、きれいだった、と。
つまり今はきれいじゃないと遠回しに言いたいわけです。
微妙なニュアンスを伝えるのはボキャブラリーではなく文法です。
さて、この本の中からも少し引用してみましょう。
みなさんは「(動物の中では)犬が好き」ってどうやって英語で言いますか?
"I like a dog." それとも "I like the dog."
どちらも違います。
日本人は冠詞に弱いです。でもしょうがないです、日本語に冠詞なんてないから・・。
さて、解答ですが、"a" を使うと「私は(名前は言わないけど)ある一匹の犬が好きです」って感じです。そして "the" を使うと「私はその犬が好きです」となって、「どんな動物が好きですか?」「はい、犬が好きです」という意味にはなりません。
正解は "I like dogs." です。(ちなみに "I like dog." と言うと、「犬の肉が好きです」と受け取られかねません、このあたりは、以下の本の135ページあたりからを参照してください)
あああ、止まらない・・。
このくらいにします。
「文法なんてどうだっていいや、通じれば」という意識ではちょっとまずいんじゃないかと思います。
ホントは文法の勉強って楽しいです。少なくともフナツの英文法のクラスに来ている人にはそう思ってもらってると思う(う、なんか変な日本語)。
でもって(また前置きが長いですが)この本は、そういった日本人の<英文法苦手意識>から出てくる、なんとなく英語を書いて読んで悩む、そして間違えて覚えてしまっている文法事項について諄々と解きほぐしてくれます。
英語の参考書というより、すべてエッセイ風に、読み物として楽しく読めるようになっています。
フナツの英文法のクラスに通ってくれているみなさんに、授業の副読本として勧めます。
そして「英文法って嫌だな、でも英語は勉強しないといけないしな」と思っているみなさんにお勧めです。(もちろんフナツの英文法クラスに来てもらうのが一番いいんですが・・、ははは、思わず宣伝が入ってしまった)
・基本的な英文法のテキストを紹介します。
『表現のための実践ロイヤル英文法』(2012.5.27 facebookPage)
2006年初版の本を改訂した、新しい2010年度版も出ました。ぜひ、クリックして解説を読んでみてください。
ちなみに、これは読み物としてはお勧めしません。
きちんと勉強するために「文法の辞書」として使う本ですので、念のため。
初中級クラスで使用しています。
・もうひとつ、高校生や大学1〜2年生向けのものを
『総解英文法』(2012.5.27 facebookPage)
1970年初版の、そして未だに売れ続けているもう古典といっていいくらいの本、基本に忠実です。
フナツは初級クラスでこれを使っています。