英語関連:参考文献

『「イギリス社会」入門』(2014.9.23 tanakomo)


 『「ニッポン社会」入門』で一躍有名になったコリン・ジョイスさん。今も「ニューズウィーク日本版」の記者でご活躍中です。


名作『「ニッポン社会」入門』のことはまたじっくり書くとして(なぜこちらから書かない!?というのには理由がありまして、ははは、授業で使うつもりなので、ってバラしちゃいけませんね・・)、コリンさんが母国のことを書いたこの本から紹介しましょう。

あ、いつものごとく長いです。
英語やイギリスに興味がある人はぜひ読んでください。

スコットランド独立などでちょっといろいろあるイギリスについて、いろんなことがわかる本です。

副題が「日本人に伝えたい本当の英国」。
もう、これはイギリスに行く前に必ず読みたい本です!特にイギリスで暮らすことになる人、留学する人、他にも何かしら理由があって長く滞在する予定のある人にはお勧めですね。

仕事の関係で、日本やアメリカに長く滞在した著者が「祖国に帰った英国人、祖国の謎に挑む」(本の帯の背表紙)とばかりに、イギリスについてさまざまに語った本で、いろんなトピックが詰め込まれていて(そしてそれのどれもがおもしろく、下世話な話でも上品に描いて)読者を飽きさせることなく読了させるはずです。

本の表紙裏から、
***
「女王のことをみんなどう思ってるの?」「階級社会はいまも続いているの?」「雨ばかりで憂鬱になるって本当?」「おすすめの料理はなに?」こんなベーシックな話題から、社会の真相に迫る奥深いテーマまで、イギリス人なら誰もが共有している習慣や感覚を、異邦人の目であらためてじっくり観察し、ユーモアたっぷりに解説した至極のガイド。本物のイギリスが立ち上がってくる。
***

どうですか?読みたくなってきたでしょう。

さらに、イギリスのトリビア的な話題もあるんです。
ちょっと本の帯から、
***
本書にはこんなトピックも!
・かつて英語を話さない国王がいた
・マドンナを激怒させた法律がある
・ユニオン・ジャックは左右対称ではない
・オーウェルは完璧なお茶の入れ方を指南した
・100年以上ゴールを記録していない競技がある
・イギリス人は動物に勲章を与える
・チャーチルはヒトラーに助けられた
***

さて、もちろんイギリスのことをよく知っている人なら、「イギリス」というはあくまでも日本語であって、日本人がいうところのイギリス人なんて人はいませんね。

イギリスという言葉の語源は「イングリッシュ」であり、イングリッシュは「イングランド人の(言葉)」という意味ですから、スコットランドやウェールズや北アイルランドのことは厳密に言えば入らないです。

日本人がイギリスだと思っている国は「United Kingdom 連合王国」として、ほぼ「UK」と略されます。上記のイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドから成る国であり、コリンさんはイングランド生まれのイングランド育ち。他の地域で過ごした時間は、本人曰く(コリンさんが)「新潟で過ごした時間よりも少ない(新潟にそれほど長くいたわけでもない)」わけです。

もちろん、サッカーやラグビーのワールドカップに出場する国に「イギリス」なんて国はない。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、として出場します。

そして、この本の冒頭にもありますが、コリンさんは当然日本人の感覚からいえば「イギリスから来た」人ですから、こんな質問を受けるわけです。

「イギリス人の目から見て、この問題をどう思う?」と。

いつも少しだけ戸惑いを覚えた、とコリンさんは書きます。「イギリス人」を代表して話すことが難しいというわけです。

はい、そういうことを前提としてこの本は書かれます。

引用したい箇所がたくさんあるのですが、長くなるので数カ所だけ。まずイギリスといえば「階級社会」ですね。
1. 階級 みすぼらしい上流、目立ちたがる労働者から少しだけ、

二組の夫婦が車に乗り込む、さて、誰がどこに座るだろうか。

コリンさんはこれで階級がわかると言います。
労は労働者階級、中は中流階級、上は上流階級です。

労:男性二人が前、女性二人が後ろに座る。
中:一組の夫婦が前に、もう一組が後ろに座る。
上:前の座席には男性のひとりが、べつの男性の妻と一緒に座る。後にはもうひとりの男性と、べつの男性の妻が座る。

車で出かけるなら、行き先もたぶん違う。

労:パブへ
中:レストランへ
上:田舎の大きな屋敷で狩猟を楽しむ

だからといって日本人が感じる意味合いとはちょっと違うとコリンさんは言います。

たとえば、かの有名な名門校、イートン校を卒業したからといって選挙に勝てるわけじゃないらしいです。今となっては上流のにおいを消そうと努力している政治家が多いと・・。

「いまどき上流の気取ったアクセントで話し、卒業した名門校のタイを占めている人など、めったにいない。いたとしたら、きっと笑いものになっている」(p.17)

もちろん話し方でもわかります。しかしさっきも書いたように気取ったアクセントなどではなく、ささいな部分ですが、たとえば「h」の音がてがかりになります。

労働者階級の人たちは、hat 帽子「ハット」が「アット」になります(これは社会言語学でも研究されていることです)。しかし、現実はそんなに単純じゃない。

労働者階級の人はなるだけ発音しようとし、反対に育ちの悪いふりをしたがる(ちょっと悪ぶっている)中流階級の人たちはあえて「h」の音を落とす話し方をするのですね。

でも「h」だけを読むとわかるらしいです。普通に教育を受けている人たちは「エイチ」と発音し、労働者階級の人たちは「h」の音を入れて、「ヘイチ」と発音すると・・・。

他にも、お茶と一緒に食べるのはあくまでも「スコン」だそうです。労働者階級の人たちの発音が「スコウン」らしいです。

他にもたくさん見分け方があるんですが、最後にひとつだけ。

「レースのカーテン」これが階級を見分けるカギになると・・。

部屋にレースのカーテンを、いわゆる普通のカーテンとともに、つけるのは労働者階級であると・・。これはかなり確実な見分け方らしいです。

なぜなら、家と家の間が狭いので、カーテンを開けても中が見えないように、もう一枚「レースのカーテン」が必要になるわけですね。

家と家の間が広いところに住んでいる人たちは「レースのカーテン」の必要性をまったく感じないというわけです。

え〜っ、そうだったんだ!というのがフナツの感想でした。
言われてみればそうだよな、です。

ああ、止まらない。

天気の話、国旗であるユニオンジャックの話、紅茶、パブ、などなどホントにおもしろい話題が満載なんですが、最後に料理の話で締めます。

たとえば、スコットランドにはたくさんの(めずらしい)伝統料理があるらしいのですが、スコットランドの人たちは、一般的な傾向として「揚げ物」が好きなようです。

フィッシュ・アンド・チップスでもわかりますよね、申しわけないですが油ギトギトです、フナツもロンドンに初めて行ったとき早速食べました、普通に美味しかったです、しかし、その後何時間も油で胸焼けがして全然ご飯が食べられなかった・・、ま、その後慣れればオッケーでしたけど・・。

閑話休題、

でもって、「揚げピザ」なんてのもあるそうです。
う〜ん、食べてみたいような怖いような・・・。

そして、ここからが本題。

サッカーのスコットランド代表がイタリアで試合をしたとき、スコットランドのファンはこんな応援コール(チャント)を歌ったそうです。

「お前らのピザを揚げてやる!お前らのピザを揚げてやる!」

最高っすね。

他にも、

15. 歴史 ぼくのお気に入り英国史 の中のブーディカの演説(p.157)もぜひ読んでみてください。

訳者も「あとがき」でこう言ってます。

「もっと早く読みたかった。これを読んでいれば、日本に似ているようで実はまったく似ていないあの国に住むときの心がまえがまるで違ったろう」と。

ちなみに、「日本とイギリスは似ている」と言う日本人は多く、「イギリスと日本は似ている」と言うイギリス人はまったくいないそうです。おもしろいですね。




『異文化理解とコミュニケーション 1』

(2013.1.12 tanakomo)

 

先日、英語にもあいまいな表現があると書きましたが、そのことについてちょっと書きます。

けっこう長いので、英語に興味のない人はスルーしてください。

日本語において、「もう夕方よ」という発話が、たとえば小学校一年生の子どもがクラスメイトの家に遊びに行ってゲームに夢中で時間を過ごした後、そこの家のお母さんから発せられた場合、私たちはその発話を「もう帰ったほうがいい」という意味に解釈します。

専門用語で言うなら、「語用論」の範疇に入りますが、言葉どおりの意味を「言内の意味」、暗示される意味を「言外の意味」などと言ったりもします。

もちろんそういった言葉の使い方、暗示の仕方が英語にもあるわけですね。

そういうあいまいな表現ととられがちな言い方のひとつを、英語では“Euphemism”(婉曲表現)と言い、O.E.D.(Oxford English Dictionary)では以下のように定義されています。

That figure of speech which consists in the substitution of a word or expression of comparatively favorable implication or less unpleasant associations, instead of the harsher or more offensive one that would more precisely designate what is intended.(O.E.D)

婉曲法:
はっきりと言えば、言いたいことは正確に伝わるかもしれないが、そういったきつい攻撃的な言い方を避け、暗にほのめかしたり、もっと耳に快い言葉で代用して表現するやり方。(拙訳)

以下に紹介した本の中の<3、ことばの含み―表の意味、裏の意味>から少々引用してみます。この章を執筆された小田三千子教授は以下のような例(W. Lutz 1989)を挙げています。(57ページ)

Ex.1
A, Please accept my condolences on your father’s passing away. お父さまのご逝去、お悔やみ申し上げます。

B, It’s too bad that your father is dead.
お父さん亡くなって、残念だね。

ちなみに、この訳は小田教授の訳ですが、Aはいいとしても、Bに関しては語感として、文脈によっては、フナツには「父ちゃん死んじゃったんだって、最悪だよな」くらいの乱暴な言い方に聞こえなくもないです。

英語でも婉曲表現を使えないと出世できないと先日書いたのは、このような言い回しの違いのせいです。

もうひとつ、以下もW. Lutz 1989からの引用ですが、報道機関がよく使うような表現ですね。

Ex2
A, unlawful or arbitrary deprivation of life
非合法または恣意的な生命の剥奪(拙訳)

B, killing
殺害

どちらかというと、この例は「売春」を「援交」と言い換えたような、聞いた人に現実を直視させないような言い方ですね。

さらに、あいまいな表現というわけではないですが、音声的に、非英語話者がリスニングしにくい言い方ももちろんあります。

<1、ことばと文化―人々から生まれて人々をつなぐ>から、ごく普通のアメリカ家庭の妻と夫の朝の会話の例を引用してみましょう。(10ページ)

左が Casual or intimate usage(くだけたまたは親密な発話)、右側が完全形です。

妻 “Morn” おはよう (Good Morning.)
夫 “Morn” おはよう (Good Morning.)
妻 “Chwant” 何にする? (What do you want for breakfast?)
夫 “Oh, baneks” ああ、ベーコンエッグ (Oh, bacon and eggs.)
妻 “Uhh” わかった (OK.)
夫 “Kawfdiyet” コーヒーまだ? (Is the coffee ready yet?)
妻 “Mint” もうすぐ (In a minute.)

発せられる音を、日本語ふうに書いてみると、
「もに」「もに」「ちゅをん」「お、べねっ」「んー」「かふぃでぃえっ」「みにっ」って感じです。

「こんなの聞き取れるわけねぇー!!」と叫んでください。

そうなんです。ネイティブ同士、それも仲がいい間柄のネイティブ間の会話が、日本で暮らす日本人にすぐに聞き取れるわけがない。

みなさん、ちゃんと英語を勉強したのに、映画や海外のドラマで語られるセリフが字幕なしでわからない、なんてことで悩まないでください。わからなくて当たり前です

もうひとつ例を紹介しましょう。いつも顔を合わせている同僚やクラスメイトの間の会話です。前提条件がクリアであり、会話における文脈・背景といった情報を共有しあっていれば、このような大胆な省略もOKという例ですね。

Ex.2
“Like it?” 
(Did you enjoy the movie ‘Harry Potter’ which you told me you were going to see three days ago?)

“Not bad.” 
(Yes, I enjoyed ‘Harry Potter’ very much, thank you.)

次回は英語での丁寧な言い方に関して書きますね。

 

 

 

 

『Kitchen table talk』(2012.10.10 tanakomo

 

フナツが中級程度の英文読解でたまに使う本です。

この本のエッセイのひとつが、ある大学の編入試験で使われていて、それで知りました。(外国人も日本酒大好きっていうエッセイです、とてもおもしろかった)

出版がNHKということでおわかりでしょうが、NHKの英語教材「NHKラジオ英会話レッツスピーク」のテキスト連載を本にまとめたものです。

だから、このブログで洋書(原書)をアップすることはあまりありませんが、日本の本ということで紹介します。書店でも、いわゆる洋書の扱いではなく、日本の本という形で販売されています。

外国人(日本に好意的な西欧人)から見た日本、という内容で、ごく平明な英語で書かれており、TOEIC500点以下くらいの英語力でも充分に読めるということになっています。(この「読める」という言葉の定義が難しいと思いますが・・)

本の帯には、

****
いい英語はやさしい
ベストセラー『American Pie』の第2弾
「知らなかった日本」に出会える英文エッセイ
****

とあります。

著者の、ケイ・ヘザリさんが、日々の日本の風景や日本人とのつきあいの中で印象に残ったあれこれを(とても日本に好意的に)綴った本です。

けっこう日本人として勇気づけられる内容のエッセイがたくさんあります。

ちょっと英語の勉強してみようかなとか、フナツの英語のクラスで多少は英語が読めるようになったかなという人、もしくは、外国の人と接することの多い人(日本語勉強会の参加者の方々)にもおすすめです。

(外国の女性から見た)日本男性のカッコ良さ、その魅力、なんてエッセイもありますよ。

気軽に読める英語の本ということで。

 

 

 

 

『英日実務翻訳の方法(2012.7.12 tanakomo

 

この本は、フナツが担当している某大学の社会人向け講座「英文読解/中上級」のクラスのみなさんに紹介したものです。

このクラスは、かなりのレベルの英文まで読みこなすことを目的とした、そういう英文読解力養成のための講座です。

さまざまな英語長文を、予習と称して実際に自分で訳してきてもらい、そしてそれを授業で発表してもらって、それに対してフナツが「それはこーだ、あーだこーだ」と難癖をつける、もとい、指導していく講座です。

そして長年この講座を担当してのフナツの感想として、みなさん、英語の訳し方はけっこうすぐに上達するんですが(ある程度文法や構文などを理解すれば早い)、そこからひとつ壁にぶち当たるわけです。

なんとか訳せて、なんとなくその英文に書いてあることはわかる、つまり読めるようになる。しかし、それをわかりやすい日本語、自分の訳した文章を、読む人を想定した日本語で表現すること、これがけっこう難しいんですね。

そうです、ものをいうのは日本語力なんですね。

フナツは、読めればいいじゃん、では終わらせたくない。
読めて、自分が理解した、つまりインプットした情報は、やはりちゃんとアウトプットできなければ理解したことにはならないんじゃないかと思うわけです。

自分では読み取ったつもりでも理解が浅いかもしれない、それどころか、間違った読み方・理解の仕方(誤読)をしているかもしれない。それは、この英文はこういう訳です、と誰かに提示することで明らかになります。

アウトプットできない頭の中の情報は、結局きちんとインプットできていないのではないかと思うわけです。

なので、フナツの英文読解クラスでは、訳文(日本語)の正確さ、完成度の高さまで要求してしまうと・・・、まあそういうわけです。

えー、また前置きが長いですが、もう少し前置きを。

もうちょっと読解初級レベルの簡単な例で言えば、次の英文を訳してみてください。

"Where did you go yesterday?" 
"I went to Sakae, yesterday."

こういう質問をすると、大抵の人が、
「昨日、あなたはどこへ行きましたか?」
「私は昨日栄へ行きました」
と訳すわけです。

間違いとはいえないけど、ちょっと違うでしょ、と言いたい。

「昨日どこ行った?」「栄」といった感じじゃないですか、
もしくは、
「昨日はどちらへ(行かれましたか)?」「栄です」くらいですね。

そもそも日本語では「あなた」は目上の人には使わないし「私」なんていちいち言わない。英語を日本語に訳すときに自分がいつも使っている日本語に変換しないから、いつまでたっても自分がいつも使っている日本語が英語に変換できない。(フナツはそういった日本語を「教科書日本語」と称して、フナツのクラスで英語を学ぶ学生に「なるだけ使うな」といつも言ってます)

その英語の文が発せられた文脈や状況に応じて、きちんと「その状況に即した日本語」に訳すこと、これが大事だと思うわけです。

反対の場面を想定しましょう。

「ちょっと、それは・・(だめかも)」

「やだ、それ」

「今ひとつなんというか・・うーん・・」

上記の日本語を英語で何と言うか?

実はとても簡単です。

"I don't like it."

たったこれだけです。
この英文を「私はそれを好きではありません」なんて訳すから、いつまでたっても使えない。

おおお、どこまでも書いていきそうだ・・。

ちょっとこの本の「はしがき」から抜粋します。
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筆者は、さまざまな翻訳プロジェクトに参加して、訳文の校閲をしてきました。また、実務翻訳講座の受講者の英日翻訳演習の添削を数多くしてきました。この過程で、多くの人たちが、同じような不自然な表現になぜ陥るのかを分析・分類し、そのような表現に陥らないようにあらかじめ示唆しておけば、訳文表現が改善されるのではないか、と考え始めたのが本書を執筆する動機にもなっています。したがって、本書は翻訳論の理論的な探究を目指したものではなく、実践的な方法論を提供することを目指しています。訳文の表現力を改善するために、用語の選択、文章表現、文体の選択、表記法の各領域にわたってまとめています。
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もちろん、フナツが担当しているクラスのみなさんが実務翻訳家を目指しているわけではないので、英文読解の方法及びその訳文を書くときのひとつの指南書として紹介しました。

 

 

 

 

『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』

(2012.5.24 tanakomo

 

越前敏弥さんといえば、あーた、泣く子も黙る翻訳者でっせ。

フナツの大好きなダン・ブラウンの翻訳で有名です。(もちろん他の作家も翻訳も手掛けてますけど)

『ダ・ヴィンチ・コード』、『デセプション・ポイント』、『天使と悪魔』、『パズル・パレス』(いくつか映画にもなりましたね、トム・ハンクスが渋かった)

どれもすごくおもしろいです。

うーん、facebookのtanakomoのほうではダン・ブラウンのことを書いたことがなかったですね。

ミステリ(謎解き)、冒険、アクション、サスペンス、いろんな要素がてんこ盛りの作品群です。ぜひダン・ブラウンを出張のお供にどうぞ。後悔はさせません。時間を忘れさせてくれること請け合いです。

で、本題に入ります。

越前さんの名前だけは知っていたのですが、本屋さんでこの本を見つけて「ふーん、翻訳者が書いた英語の本か・・、えらく挑戦的な題名じゃん、<必ず誤訳>って、ちょっと大袈裟なんじゃない?あれ?越前敏弥ってダ・ヴィンチ・コードの人じゃん!」とまあそんな感じで手に取って、いちおうフナツも英語の先生なぞを生業にしているものですから、英文読解には多少(どころじゃない)自信があったので、いくつか文中の問題を解いてみた、というわけです。

もう話の展開は読めてきたと思うのですが、なかなか刺激になりました。いやいや、かなり勉強になったと言うべきか・・。

ちょっとカバー裏の宣伝文を紹介します。

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1000万部を越えるベストセラーとなった『ダ・ヴィンチ・コード』はじめミステリーの名翻訳家として知られる著者が、長年にわたって予備校や翻訳学校で教えてきた中で、「日本人なら必ず誤訳する英文」の例を収集し、解説をしたものが本書である。まずは問題に挑戦し、それから訳例と解説を読むという構成になっている。英語に自信のある方々はぜひご一読いただきたい。大学受験生、TOEIC学習者、仕事で英語を読む必要のある方々、翻訳家志望者・・・相当の英語力がある人でも、そう簡単に正解できない、手応えのある問題がそろっている。きっと「目からウロコ」の連続だろう。とはいえ、難解でひねくれた英文を集めたわけではない。英語としては自然だが、日本語の発想や学校で習った文法の誤りなどによって、日本人が誤読しやすい英文が集められているというわけである。読者は自分の英語読解力に欠けていた部分を発見し、飛躍的な進歩を遂げることができるに違いない。本書は実力のある人をさらに上へ押し上げる、他に類を見ない一冊である。
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英語中級レベル以上の人にお勧めです。

 

 

 

 

『「英語公用語」は何が問題か』(2012.1.26 tanakomo

 

以下のサイトの「内容情報」を読んでもらえればわかりますが、英語を学ぶ社会人、特にビジネスマン(ウーマン)の方々にぜひ読んでほしい内容です。
ユニクロや楽天などの社内英語公用語化を、フナツは授業で手厳しく批判しています。とりあえず日本のビジネスパーソンは英語の読み書きの勉強が何にも増して優先事項だ、なんてことあるごとに言ってます。
「でも会社で、英語を勉強しないやつは置いていく、みたいなこと言われているしなぁ、しゃべるのも重要じゃないかなぁ、いったいどうしたらいいんだ??」とお悩みの方にこの本はお勧めです。日本人特にビジネスパースンにとって英語とどうつきあっていくのかを考える際の要点を手際良くまとめている本です。
「内容情報」の目次の項目以外にもおもしろそうなトピックを裏表紙から。
・避けられないグローバル化
・これは「英語帝国主義」である
・企業の英語事情
・仕事で使える英語はいかに学ぶか
・職種による英語力の必要度
・経済界が作り出した「貧しい英語力」
などなど。

個人的には、第五章の中の「英語教員はもっと発信を」と「大学における英語教育をどうすべきか」が差し迫った身近な問題としておもしろく読めました。
さらに、第六章の中の「英語だけ出来ればいいのか」(160ページ〜)のところで紹介されている、エアバス・ジャパン会長のグレン・S・フクシマ氏による、筑波大学国際経営プロフェッショナル専攻の卒業式祝辞における「ビジネスパースンに役立つ」格言、1〜7がすごくよかったです。ここだけでも本屋さんで読むべし!!

 

 

 

 

『日本人の9割に英語はいらない』(2011.10.31 tanakomo

 

この本には副題があります「英語業界のカモになるな!」
本の内容とこの副題には激しく共感です!!
フナツは足掛け20年以上、英語を教えてます(学生時代の家庭教師や塾の講師のアルバイトを含めれば30年以上)。英語教育の業界人といってもいい、そういう私がこの本に激しく共感しています。
よく知られているように、成毛さんはマイクロソフトの元代表取締役で、当然ながらネイティブと英語でやり合う英語力の持ち主でした。そういう、英語のスーパー使い手が社内の英語公用語化や小学校からの英語教育に反対しています。英語を勉強するってどんなことか迷っている人は読んでみてください。
さらに、この本の題名は、裏を返せば、1割の人はすぐに勉強すべきだ、ちゃんと英語ができるようになるべきだということでもあります。
(ちょっとエラそーで申し訳ないですが)英語なんかできなくったって、ちゃんと生きていけるし、幸せな人生が送れます。それは確かなことです。
あなたは1割の(大変ですよね、な)人?それとも残りの(幸せな)9割の人?